発音が綺麗になる!最も重要な母音「あいまい母音」を知ろう!

こんにちは。
BIJOU ENGLISH KIDSのYURIEです。

前回の記事「伝わる英語」への道 強く読むだけじゃない!アクセントの正体を知ろうでアクセントの使い方として、CANADAの発音を例にアクセント部分の音の高さと音の長さの重要性についてお伝えしました。 前回はアクセント部分の説明でしたが、今回は単語の中でもアクセントの無い部分に注目することでさらに自然な伝わる発音へとつなげていきます。

「弱」を意識することで「強」が際立つ

前回の「CANADA」の発音では、アクセントのある最初の音節の CAAAN の部分を高く長く発音することで、不自然なカタカナ英語から自然な英語の発音へと近づきました。

自分が発音する上でも聞き取る上でも、「強」だけでなく「弱」の部分も意識することも大切です。

アクセントのある部分が高く長くのように盛り上がるのに対アクセントのない音節は低く短くのようなイメージで、アクセント部分を際立たせるためには強弱の差をハッキリとつけることがポイントになります。

強弱の差をハッキリとつけることで、アクセント部分が際立つことができるよ!

アクセントの無い音節に現れるあいまい母音

「CANADA」は第1音節にアクセントがあります。アクセントの無い第2、第3音節の母音は「あいまい母音」と呼ばれる母音の発音になります。

「あいまい母音」って何?

あいまい母音?ってなに?

英語では実は一番よく使われる母音なんだよ!

「あいまい母音」は実は英語の母音で一番よく使われるとっても重要な母音です。英語では schwa ( シュワ ) といいます。発音記号は / ə / で、小文字の e をクルッと回したような形ですね。

日本語では「あ・い・う・え・お」はそれぞれ一つ一つはっきり発音しますが、「あいまい母音」は「あ」でもなく「い」でもなく「う」でもないし、「お」でもない、中間の音でまさに”あいまい”な母音です。口はあまり開けずに力を抜いて、短く低く弱く発音します。

イメージとしては、千と千尋の神隠しに出てくる『カオナシ』の声がとても近いイメージです。「あ」とも「う」とも取れるような取れないような音ですね。

( なかなかちょーどいい感じの表情が描けて満足。うむ。笑 )

「あいまい母音」を発音するときは、口をリラックスした状態で、口の中のちょうど真ん中あたりが舌の一番高い位置になります。

「CANADA」は第2音節と第3音節の母音が「あいまい母音」になるので、その部分を千と千尋の神隠しの『カオナシ』をイメージして発音してみましょう!

「あいまい母音」を意識できると日本語っぽい発音からかなり抜け出すことができるよ!

単語の中で「あいまい母音」はどこに使う?

あいまい母音は一番よく使われるって、どこに使われるのかしら?

アクセントの無い音節の母音の多くがあいまい母音なんだよ!

単語のなかではアクセントのない音節の母音の多くにあいまい母音 / ə /が現れます。
  • Canada( カナダ ) [kˈænədə]
  • system ( 制度・体制 ) [sístəm]
  • family ( 家族 ) [fˈæm(ə)li]
  • lemon ( レモン ) [lémən]
  • campus ( キャンパス ) [kˈæmpəs]
Canada の後ろ2つの a も、system の e も、family の i も、 lemon の o も、campus の u も、アルファベットの綴り文字は違っても全て発音は「あいまい母音」でほぼ同じ音になります。

アルファベットの綴り通りにしっかり発音しないとダメだって思わずに、アクセントの無い部分は力を抜いてリラックスして発音したら大丈夫だよ!

「あいまい母音」を使いこなせれば発音がグッと変わる

「あいまい母音」を使いこなすことができると発音がグッと変わります!今までなんとなく自信がなかった、発音しにくいなと思っていた単語も実はポイントは「あいまい母音」だったかもしれません。

systemの発音

systemの発音は第一音節にアクセントがあるので、第二音節の「テ」とハッキリ発音してしまわずに e は低く短くサクッと発音しましょう。

[sístəm]

familyの発音

familyの発音もあいまい母音を使いこなせば、カタカナ英語発音感がグッと無くなります。

[fˈæm(ə)li]

第二音節の i は「あいまい母音」ですが、会話の中では発音せず、famly と i の音が脱落した発音で大丈夫です。

カオナシ いなくても大丈夫。

lemonの発音

lemonの発音もポイントは「あいまい母音」!カタカナ発音でハッキリとレモンと発音せず強の部分はハッキリと、弱の部分はあいまいに低くを意識してみましょう。

[lémən]

campusの発音

campusの発音は第一音節にアクセントがあります。アクセントの部分は高く長く、第二音節のアクセントが無い部分はサクッと低く短くしてみましょう。

[ kˈæmpəs ]

Japanの発音

Japanの発音も綴り通りに”ジャパン”と発音してしまうと日本語訛りのカタカナ英語っぽいですよね。アクセントは2つ目の音節の pan の方にあるので、1つ目の音節の母音 a は「あいまい母音」で発音してみましょう。

[ dʒəpˈæn ]

vanillaの発音

vanillaの発音も「あいまい母音」を使えば、カタカナ発音の伝わらない ”バニラ” から一気に伝わる発音に変わります。アクセントは第2音節にあるので、最初の a も終わりの a も、どちらも『カオナシ』の発声にしましょう。

[ vənílə ]

animalの発音

animalの発音もアニマルと平坦に発音するとカタカナっぽいですね。第一音節の母音は高く長く「あ」と「え」の間のような音の [ æ ]、後の母音は両方とも低く短く『カオナシ』です。

[ ænəm(ə)l ]

発音する上でも聞き取る上でも「あいまい母音」は超重要!

いかがでしたでしたでしょうか?今回は単語の中でアクセントの無い部分に現れる「あいまい母音」についてお伝えしました。

「あいまい母音」は単語の中だけでなく、文章中ではとてもたくさん出てきて英語のリズムを作るのに欠かせない大切な母音です。

日本人はアルファベットの綴り通りに全てをはっきりしっかり発音しようとしがちですが、アクセントの無いところはリラックスして力を抜くことも重要です。

ぜひ意識して力を抜いて発声する練習をしてみましょう♪