フォニックスを学ぶ3大メリット

こんにちは。
BIJOU ENGLISH KIDSのYURIEです。

前回『今さら聞けない?!フォニックスって何?』のブログ記事で、フォニックスとはそもそも何なのかをご紹介しました。

今回は、フォニックスを学ぶ効果やメリットについても詳しくご紹介していきたいと思います。

フォニックスを学ぶメリットは色々ありますが、私は大きくわけて以下3つが3大メリットかなと思います。

フォニックスを学ぶ効果やメリット

  • フォニックスを学ぶメリット1 発音改善で 脱!日本語なまりの英語!
  • フォニックスを学ぶメリット2 英単語が自力で読めるようになる
  • フォニックスを学ぶメリット3 自分で学ぶ学習サイクルを生む

一つ一つ、詳しく見ていきましょう。

フォニックスを学ぶメリット1 発音改善で 脱!日本語なまりの英語!

フォニックスを学ぶメリットの1つ目はズバリ、日本語なまりのカタカナ英語から抜け出して、相手に「伝わる」自然な発音を身に付けることができるということです。

フォニックスを学ぶと発音がよくなるって聞いたことがあるわ。

日本人は英語の発音が苦手だと感じている人が多いよね。

そもそもなんですが日本人の初心者英語はなぜ英語ネイティブに通じない、もしくは通じにくいと言われるのでしょう。

理由は大きく分けて2つあると考えられます。

日本人の初心者英語が英語ネイティブに通じない理由

日本人の初心者英語は以下の傾向がある…

  • 英語特有の母音と子音を適切に使えず、日本語にある子音と母音だけを使って発音してしまう
  • 強弱や抑揚のない単調なリズムとイントネーションで話してしまう

この2つの理由のうち英語のリズムとイントネーションについてはまた別でご紹介するとして、子音と母音についてはフォニックスを学ぶことで劇的に改善することができるんです。

フォニックスで日本語にない音を一つ一つ学ぶ

前回の『今さら聞けない?!フォニックスって何?』のブログ記事の中でも紹介しましたが英語はアルファベットの名前と音が別です。フォニックス学習では一般的に、アブクド読みと呼ばれる一つ一つのアルファベットの音をまず学びます

アルファベット一つ一つの音以外にも、子音が2つ連続して新しい1つの音になったり、また母音が2つ連続して新しい1つの音になったりと、英語には日本語に無いたくさんの子音や母音の種類があります。実は英語に比べて日本語は圧倒的に子音も母音も種類が少ないんです。

日本人が知っている日本語にある子音や母音だけで英語を話そうとすると、相手に伝わりづらい日本語なまりのカタカナ英語になってしまうよ。

子音でも母音でも、適切に使わなければ意味が大きく変わる言葉はたくさんあります。英語を話す際に区別すべき音がきちんと区別できていないと、相手に伝えたいことが伝わらないという悲劇…とまではかないかもしれませんが、悲しい状況が生まれてしまいます。

発音はわかりづらいけど会話の流れから多分こう言いたいんだろうな、と想像力をフルに働かさないといけないような会話は相手にはストレスになってしまう恐れがあります。この人と会話するの正直しんどい、、なんて思われないように「伝わる発音」を身につけたいですね。相手にストレスを与えないスムーズな会話にするには、日本語にない英語の音もしっかり学んで違いを理解することが重要な鍵です。

日本語にない英語の子音を知る

まずは子音。日本語には無い子音、結構あります。アメリカ英語とイギリス英語で母音の音は結構違うんですが、子音はほぼほぼ共通しています。アメリカ英語を習得したい人も、イギリス英語を習得したい人も、会話をスムーズにするためにマスターすべき子音の音は一緒です。

まずは子音をマスターするのがオススメだよ。

◆日本語では区別のない音の代表『L』と『R』『B』と『V』

まず子音で日本語に区別がない音の代表的なのは、『L』と『R』の音。 英語を学ぶ日本人がまず発音に苦労する音ですよね。

「right (正しい・右・権利)」と「light (光)」や「fright (恐怖)」と「flight (飛行)」の違いなど、『L』と『R』の発音をしっかり区別できないと、どっちの意味の言葉を使っているのか相手に伝わりません。

「Have a nice flight! (どうぞ良い旅を!)」と言うつもりが、なんとなく英語っぽくしたいが為に必要ないのに舌を巻いてしまって 「Have a nice fright! (どうぞ素敵な恐怖を!)」と聞こえてしまったら、言われた相手は「えっ……何それ。こわっ。」ってなりますよね。

特に学び始めの子ども達は、何でもかんでも舌を巻いてみようとする子が結構多いです。何でも舌を巻けばイケてるってもんじゃありません。しっかりと違いを知って、メリハリつけて使い分けたいですね。

他には、『B』と『V』の音の区別も日本語には無いものですね。

「boat (ボート)」と「vote (投票する)」や「base (基礎・土台)」と「vase (花瓶)」、「ban (禁止する)」と「van (小型トラック)」など。発音をごちゃ混ぜにしてしまうと、話している相手も混乱してしまいます。

◆『sh』『ch』『ph』『wh』『th』など、2つの子音が連続して新しい1つの音になるもの

2つの子音が連続して新しい1つの音になるルールのことを、フォニックスではConsonant Digraphs(2文字子音)と言います。

  • 『sh』のつく言葉…「ship ( 船)」「shark (サメ)」「fish (魚)」etc…
  • 『ch』のつく言葉…「chime (鐘の音)」「choose (選ぶ)」「March (3月)」「lunch (昼食)」etc…
  • 『ph』のつく言葉…「phone (電話)」「elephant (象)」etc…
  • 『wh』のつく言葉…「whale (クジラ)」「wheat (小麦)」etc…
  • 『th [θ]』のつく言葉…「mouth (口)」「bath (お風呂)」etc…
  • 『th [ð]』のつく言葉…「this (これ)」「weather (天気)」etc…

2つの子音が連続して新しく作り出される音を知り、日本語にはない発音を学ぶこともまた日本語なまりのカタカナ英語を脱出することに繋がります。

まずは知ることから始めるのが大事なのね。

“Consonant Digraphs”という名前自体を覚える必要なんてないよ。肩の力を抜いてね。

特に日本語ネイティブにとって発音の区別が難しいのが『th [θ]』と『S』の音。

「think (考える)」と「sink (沈む)」、「thick (厚い)」と「sick (病気)」、「mouth (口)」と「mouse (ねずみ)」など、これらもまた発音の区別ができないと、伝えたいものの意味が変わってきてしまいますね。

使い分けるのは難しいのよね。

最初から完璧を目指さなくても大丈夫。徐々に区別できるようになるといいね。

◆『sm』『bl』『gl』『gr』『spr』『str』など、2つ以上の子音が連続して混ざり合った音になるもの

これは一つ一つの音を学んだ後の少し上級編になりますが、フォニックスでは2つ以上の子音が連続して混ざり合った音になる Consonant Blends(連続子音)というものも学習します。

Consonant Blends(連続子音) は、日本語ネイティブの多くが苦手とする難易度の高い発音になると思います。逆に言えば、これがマスターできれば日本語なまりのカタカナ英語から大きくジャンプアップして脱することができると言えます。

ここがマスターできればカタカナ英語っぽさがかなり抜けるよ!

なぜ日本人にとって連続子音が難しいのかですが、日本語は基本的に子音には母音がくっついてくるからなんです。ひらがなの50音表をみてみるとわかるのですが、ほとんどが母音もしくは子音+母音で成り立っているのが日本語のひらがななんですよね。ひらがなは基本的に子音が母音とセットで発音される音なんです。

意識したことなかったけど、言われてみればほとんどに母音がついてくるのね。

日本語には(意識的に)子音を子音だけで発声するものがほぼ無いから、いざ子音だけを出してみようとしても難しいんです。なんだかんだで母音がついてきてしまうんです…!

例えば「spring (春)」の発音。日本語ネイティブは supuringと、全ての子音に母音をつけてしまいがち。するとまた日本語なまりのカタカナ英語となってしまうんですね。

普段単独で使わない子音が2つも3つも連続しているんだから、日本人にとって難しいのは当たり前で、子音を子音だけで発声するのは訓練が必要です。難しいけれども、ここを越えれば発音は劇的に変わるはず。

子音を子音だけで発音するのって確かに難しい!

意識をしないと母音がくっついてきてしまうよね。これはトレーニングが必要だね。

フォニックスを学んでまずはこれらの子音だけでも意識して使えれば、学ぶ前の発音とはもうかなり違うものになっているはず。

日本語にない英語の母音を知る

ストレスのないスムーズな会話の為には、日本語にない英語の母音の音を知ることもまた大事です。日本語の母音は「あ・い・う・え・お」の5種類のみですが、英語の母音の数は日本語の母音の数よりもはるかに多いとされています。母音は主にアメリカ英語とイギリス英語とで結構異なるんですが、ここではアメリカ英語をベースとして進めたいと思います。

◆ あかるい「あ [æ]」と くらい「あ[ʌ]

英語にはいくつかの異なる「あ」の音があります。日本語では母音の「あ」の音は一種類だけなので、日本語の「あ」の音だけを使って英語を話そうとすると、これまた相手に伝わらない日本語なまりのカタカナ英語になってしまいます。

例えばよく言われるものでは、あかるい「あ」 くらい「あ」と呼ばれるものがあります。

– あかるい「あ」
『a』のshort vowel (短母音) は、あかるい「あ」と表現されたりします。発音記号は / æ /。

例えば「map (地図)」や「cap (キャップ帽子)」の『a』の音。

これは日本語の「あ」と「え」を足して割ったような中間のような音です。
発音記号も a と e をくっつけたような形をしていますね。

口を左右横に引いて「え」と言うかたちを作って、そのままあごを下に下げて「あ」と発声するイメージ。
あえてほうれい線ができるのを意識するといい感じかも。子どもたちにそんな説明をしても、ほうれい線ができる切なさは共感してもらえないんだろうな…と一人悲しい苦笑いしながら「はははっ」と笑う口の形。
「ぇあはは。」

えー、あー、ぇあー…  なんだかとっさには発音しにくいわね。

慣れるまではちょっと発音しにくいよね。日本語にない音だから日本人にとって難しくて当然だよ!慣れるにはしっかり顔の筋肉を動かしてトレーニングすることも必要だよ。

– くらい「あ」
「cup (カップ)」や「sun (太陽)」、「jump (ジャンプ)」などの音は先ほどのあかるい「あ」とはちがい、口はあまり開けずに力を抜いて、喉の奥で弱く「ぁ」と言う感じ。こちらは日本語の「あ」に近く、脱力した音になります。

若干テンション低めに、何かを思い出して「あっ」そういえば今思い出したわー。って 言う時に出るような「あ」。喉から出る感じ。

こういった あかるい「あ」 くらい「あ」のような、知っておきたい (アメリカ) 英語特有の母音の音は他にもたくさんあります。フォニックスを学んで、音の違いを知るとリスニング力もアップするはずですし、区別して使いこなせると、相手に「伝わる」英語の習得に近づきますね。

フォニックスでまずは音の違いを知ることから始めよう!

綺麗な発音はやっぱり憧れるわ。発音改善するだけでもフォニックスを学ぶメリットは大きいわね。

ちなみにですが…発音はアメリカ英語とイギリス英語、またオーストラリア英語やカナダ英語などなど地域によって異なるので、どんな発音が「綺麗」なのかは人それぞれ感じ方は違うかと思います。イギリス英語が綺麗!と感じる人もいれば、イギリス英語なんて堅苦しい!アメリカ英語がわかりやすくて綺麗だ!いや、カナダ英語がフレンドリーで綺麗!など人それぞれです。地域によって発音が違うのだから「正しい発音」なんてのもありません。大事なのは「伝わる」のかどうか

ここまで少し長々と日本語にない子音や母音のいくつかをご紹介しましたが、フォニックスを学んでこれらの音を知り理解することは、話し相手との間にお互いにストレスのない、「伝わる」会話をする為への近道であると言えると思います。

フォニックスを学ぶメリット2 英単語が自力で読めるようになる

フォニックスを学ぶメリットの二つ目は、前回の『今さら聞けない?!フォニックスって何?』のブログ記事の中でも紹介した内容ですが、初めて見る単語も自力で読める力がつくことです。

先にもご紹介した通り、フォニックス学習では一般的にアブクド読みと呼ばれる一つ一つのアルファベットの音をまず学びます

アブクド読みを学ぶと、英語を学び始めたばかりの人が  box というつづりをもし仮に初めて見たとしても「ブッ」「オッ」「クス」と一つ一つのアルファベットの音を組み合わせて「ブッ+オッ+クス=ボックス=箱(box)」と自分の力で読むことができるようになるんです。


<注意>ここでのカタカナ表記はあくあでも文章で読むための参考です。英語の O は日本語の「オ」の音とは違い、カタカナ表記で表すことはできません。

また、復習になりますがフォニックスとは英語のつづり文字と読み方の音のルールを学ぶ学習法のことです。

フォニックスの代表ルールの一つである サイレントEルール(単語の一番後ろが“e” で終わる言葉のとき、“e” は読まずその直前の母音をアルファベットの名前読みするというルール)を使えば、game や cake / name / safe / life / white / smile / cube / theme /  complete / note / bone…etc などといった、最後が“e” で終わる言葉をたとえ初めて目にしたとしても、ルールに当てはめて自力で読むことができます。


ルールを知ることで、単語を自力で読むことができるようになるのは英語を学び始めた人にとって大きなメリットですよね。

単語のつづりを無理やり丸暗記しなくてもいいってことよね。

ルールに当てはまらない例外の言葉もあるけど、それでも知らないよりも知っておく方が学習する上では効率的だよね。

フォニックスを学ぶメリット3 自分で学ぶ学習サイクルを生む

フォニックスを学ぶメリットの三つ目は、自分で学ぶ学習サイクルを生むことです。

フォニックスを学ぶと自力である程度の単語が読めるようになり、自力で読めると嬉しいし、できた!という気持ちは大きな自信に成り得ます。すると自信からさらにもっともっと学びたいと思うやる気につながれば、その後の自主的な英語学習を促し学びを加速させるサイクルを生むことも期待できるんですね。


また、音を知ることは音を聞き取り、聞き分けられることにつながります。Cap と Cup の音の違いや、Map と Mop の音の違いなど、日本語ネイティブにとっては微妙でわかりにくい違いなんだけれども意味は大きく違うものを聞き分けられるということもまた自信に繋がっていくと思います。

読める、聞ける、という自信がさらなる学習意欲に火を付けることが期待されます。

自信をつけるのは大事よね。

特に学習し始めは、自信をつけて良い学習サイクルを作ることはとっても大事だよ!

特に子供達にとって、自主的な学習ができるようになるということは、その先も英語を学び進めていく上でとても重要で、フォニックスを学ぶ最大のメリットでもあると思います。

我が子にもどんどん自分で学びを進めていって欲しい…!

まとめ フォニックスはぜひ学ぶべし!

ここまでお読みいただきありがとうございました。今回は私が思うフォニックスを学ぶ3大メリットをご紹介しました。前回の記事でメリット2とメリット3に関してはすでに紹介していた内容だったので、それに比べるとメリット1の発音についての説明がやたらと長くなってしまいました。

フォニックスを学ぶ3大メリットをもう一度おさらいしておきましょう。

フォニックスを学ぶ効果やメリット
  • フォニックスを学ぶメリット1 発音改善で 脱!日本語なまりの英語!
  • フォニックスを学ぶメリット2 英単語が自力で読めるようになる
  • フォニックスを学ぶメリット3 自分で学ぶ学習サイクルを生む

ここでの文中には、子どもたちが学ぶことを前提として説明していた箇所がありますが、フォニックスは子どもたちだけでなく大人にもとても効果のある学習法です。ぜひお子さんと一緒に取り組んでみてくださいね。